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LILIUM

趣味の記録保管庫

鏡には映らない

Books

『小説野性時代』より

米澤穂信著『鏡には映らない』の感想です

 ※ネタバレを含みます

 

さて伊原摩耶花視点の短編です

 

ある日漫画の道具を買いに行った麻耶花は中学校の頃の同級生に出会います

そこで立ち話をしていて、話は高校で所属している古典部部員折木奉太郎の話へ

同級生が奉太郎に対して怪訝な態度を示したことから、中学時代に奉太郎がクラス中の人間から軽蔑されていたことを思い出します

 

中学3年生の卒業制作で、学年全員で鏡のフレームを彫ることになりました

デザインをしたのは学年で一番絵の上手い鷹栖亜美

クラスごとに担当を決め、さらに班ごとに担当を決めます

そして奉太郎が彫ったのは、デザインをガン無視した手抜きレリーフ

 

学年全員分のフレームをくっつけひとまず完成したものを見た鷹栖亜美は泣き叫んでしまいました

せっかくの卒業制作を台無しにした奉太郎はクラスに恥をかかせ鷹栖亜美を泣かせた男としてクラスの人から疎まれることに

休み時間に図書館でひとりでいるようになった奉太郎を麻耶花は見ていますが、麻耶花も当時奉太郎をよく思ってはいませんでした(まぁ今でも仲良いわけじゃないけど)

 

しかし古典部で奉太郎と腐れ縁が続いてきた麻耶花は、奉太郎が理由もなしに手抜きをする人間ではないことを知りました

めんどくさがってはいるけれど、やらなければならないことはきちんとやる

だからあの手抜きレリーフにも理由があるはずだと思い至り真相を追い始めます

もし冤罪なら、自分は奉太郎に謝るべきだっていう摩耶花らしい考えだ

 

さて奉太郎に問い詰めてもはぐらかされるので、卒アルから当時奉太郎と班が一緒で、かつ神山高校に入学した人間を探します

ここで中学時代の今以上に童顔なふくちゃん見てにやにやする麻耶花かわいいw

 

奉太郎と班が一緒だった芝野めぐみから衝撃の情報が

「折木はレリーフを手伝ってくれる人間に頼んでいて、その人の名前は鳥羽麻美、折木奉太郎の彼女だ」

摩耶花もビックリ私もビックリ

 

奉太郎に!?!??!彼女!??!?!ってなるでしょそりゃ

 

その鳥羽麻美も神山高校に進学し、現在は写真部とのこと

そんな情報を聞いても摩耶花が真っ先に会いに行ったのは鳥羽麻美ではなく奉太郎

でも千反田がいたので奉太郎の彼女の話は出来ませんでした

てかこの摩耶花の配慮さ、その、千反田が奉太郎に好意を寄せてるって判断していい?

激しくにやにやしました

 

はい、というわけで後日鳥羽麻美に会いに行った摩耶

卒業制作の件を聞いても話してはくれませんでしたが、奉太郎は鳥羽麻美にとってヒーロー、卒業制作は呪いの解けた鏡ということでした

とにかく真実を知るためには例の鏡だ!ということで母校の鏑矢中学へ赴きます

 

そして鳥羽麻美との会話をヒントに摩耶花は真実を知りました

 

鏡の写真を撮っていざ奉太郎の所へ

奉太郎が彫ったところを含めフレームの下の方を撮った写真を並べます

曲がりくねったツルの写真を並べると「We hate A ami T」という文字が

鏡のデザインにはツルで「亜美が嫌い」というメッセージがありました

 

しかし固有名詞に不定冠詞はいりません

そこで奉太郎がデザイン通りに彫ったとなるとどうなるかというと、「We hate Asami T」でした

 

鳥羽麻美をいじめていた鷹栖亜美が最後のいじめに隠したメッセージ

そのことに気付いた奉太郎はふくちゃんと相談してあの手抜きレリーフを彫ったのでした

「鳥羽麻美が嫌い」というメッセージが「鷹栖亜美が嫌い」という文章になったしまった

だから鷹栖亜美は発狂して泣いたわけね、永遠に学校に残るものね

 

奉太郎がそれを言わなかった理由は、省エネ主義だと言ってる自分がクラスの女子を救ったということが恥ずかしいから

 

ッッッッ思春期~~~~~~~~!!!!!!;;;;;;;;

 

なにそれ…なにそれ奉太郎かわいすぎ;;;;

 

摩耶花のまえでしどろもどろとはぐらかそうとしてますが摩耶花は逃がしません

真剣に丁寧に謝罪しました

奉太郎どんな顔してたんだろ、絶対真っ赤だったんだろうな…めちゃ見たい

「鏡には映らない」っていうのは、最後の奉太郎の照れ顔のことか

 

あらゆる方面で大変にやにや出来る短編でした…