読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

LILIUM

趣味の記録保管庫

サイレンと犀

Books

岡野大嗣著『サイレンと犀』の感想です

サイレンと犀 (新鋭短歌シリーズ16)

サイレンと犀 (新鋭短歌シリーズ16)

 

※ネタバレを含みます

 

この装丁を描いてる安福望さんて方のイラストが大っ好きでして

岡野さんたちの短歌にイラストつけてTwitterにアップしてて

とても素敵なのでぜひ見てみてください

 

以下気に入った短歌抜粋

 

 

きれいな言葉を使ってきれいにしたような町でぼくは育った

 

青空とブルーシートにはさまれてサンドイッチのたねだねぼくら

 

カーテンが外へふくらみ臨月のようで中身は4年3組

 

ひとりだけ光って見えるワイシャツの父を吐き出す夏の改札

 

ハムレタスサンドは床に落ちパンとレタスとハムとパンに分かれた

 

友達の遺品のメガネに付いていた指紋を癖で拭いてしまった

 

かなしみを遠くはなれて見つめたら意外といける光景だった

 

もういやだ死にたい そしてほとぼりが冷めたあたりで生き返りたい

 

ここじゃない何処かへ行けばここじゃない何処かがここになるだけだろう

 

生年と没年結ぶハイフンは短い誰のものも等しく

 

六ヵ月間は死なない前提で買う六ヵ月通勤定期

 

校正を入れずに刷った時刻表通りに乱れ始める世界

 

前向きなだけの言葉を前向きな姿勢で聞いて前向きに死ぬ

 

道ばたで死を待ちながら本物の風に初めて会う扇風機

 

 

 

他にも気に入ったものがあるのですが

あまりにも多いので割愛

 

こういうものに解説をつけるのはあまり好きじゃないんですが

目の前にリアルな情景が浮かんだり

仄暗く重い視点がとても好きです

「もういやだ死にたい」は有名どころな気がします

私もこの歌で岡野さんの歌を好きになりました