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伊勢物語

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伊勢物語』の感想です

新編日本古典文学全集 (12) 竹取物語 伊勢物語 大和物語 平中物語

新編日本古典文学全集 (12) 竹取物語 伊勢物語 大和物語 平中物語

 

 ※核心には触れませんが多少のネタバレを含みます

 例のごとくお勉強の記録です~

 

伊勢物語第一段/初冠】
鷹狩とか美人見たら即口説くとかどう見たって業平じゃないですかやだー。
「春日野の若むらさきのすりごろもしのぶの乱れかぎりしられず」ってのは古今集・恋四、河原左大臣の歌の趣によったものですね。
 
伊勢物語第三段/ひじき藻】
ひじき贈るとか、この男はイケメンだな(金持ち的な意味で)
ていうか高子!高子ちゃん!!つまり男は業平じゃんやっぱ業平じゃんチクショウ!!
 
伊勢物語第四段/西の対】
この「月やあらぬ~」って歌ハイパー情熱的で好きなんだけど詞たらずの歌とか言うよね。そもそも業平自身が古今集で貫之にそう言われてたっていうね。高子ちゃんへの想いが溢れてていいじゃない。
 
伊勢物語第五段/関守】
高子ちゃんの所に通う業平(でいいよねもう)を好ましく思わないお兄ちゃんズが関守の正体でした。でも関守を恨めしく思う高子ちゃん可愛い。
 
伊勢物語第六段/芥河】
お兄ちゃんズこと国経と基経、高子ちゃんを守るのに必死です。鬼とか言われてます。この鬼に食われちゃうのは教科書にも載る有名な段よね。女「あのきらきらするものは何?」男「露だよ(イケボ)」とかやってたんですかね。
 
伊勢物語第八段/浅間の嶽】
高子ちゃんとの恋に敗れ東国に漂泊。「友とする人、ひとりふたりしてゆきけり。」ってあるけど注釈では従者にされてるからね。はがない(業平は友達が少ない)

伊勢物語第一〇段/たのむの雁】
男が京を離れて武蔵の国までさまよい歩いたところ出会った女にすぐ求婚。どこに行っても色好みは色好みだった
 
伊勢物語第一六段/紀の有常】
時勢が移り貧しくなったのに、昔の優雅な暮らしぶりを続ける有常はいよいよ窮迫。妻との関係も冷めて、妻は尼に。有常は妻と別れることになって初めて40年もの月日を連れ添ったのだと気付いて涙。
 
伊勢物語第二三段/筒井筒】
男「筒井つの井筒にかけしまろがたけ過ぎにけらしな妹見ざるまに」
女「くらべこしふりわけ髪も肩すぎぬ君ならずしてたれかあぐべき」

やっぱ男女の結婚ってこういうのがいいよねっ!/////
 
伊勢物語第二四段/梓弓】
女「仕事優先で三年放置とか無理なんですけどぉ~別の男にすんべ」
男「ようやく、会えました」
女「は?今夜別の男と新枕なんですけど!」
男「そうですか。新しい夫と、仲良く」
女「もぅマヂ無理…より戻せなかった…元夫行っちゃった…つらたん」⇒死亡
 
伊勢物語第二五段/逢はで寝る夜】
ちょ、小町がビッチみたいな書き方すんなよ!恋愛上手の駆け引き上手なんだよ!引用は、はい、古今集・恋三でした。取り乱しました。
 
伊勢物語第三二段/倭文の苧環
かつて関係を結んだ女とよりを戻そうと恋歌を贈るも無視される男。
ヤリ●ンざまぁ!だがしかしここでめげないのが真正の色好みである。
 
伊勢物語第三四段/つれなかりける人】
「いへばえにいはねば胸にさわがれて心ひとつに嘆くころかな」

けっこう好きな歌です。言いたいけど言えないってあるよね。

伊勢物語第三八段/恋といふ】
男「有常殿…あなたによって、ある気分を体得しましたよ。世の中の人はこの気持ちを恋と言うのでしょう。」

突然のホモに動揺を隠しきれない。え…え??…え!?
ま、まぁ…昔は美しい男を見たら「あれが女ならば」とか「わたしが男ならば」とか貴公子たちも言うしね。そんなかんじだろ。光源氏の美しさに男が見とれるのと同じだろ。「有常って妻いたよな!?レズ!?」って動揺しすぎて性別調べちゃったよ。ホモかよ。
もし男が業平なら、いや止めておこう。ちなみにまだ恋をしたことない有常は男に「どのような気持ちを恋というのでしょう」と尋ねたことがある。なのに男に「これが恋でしょうか」と詠まれたから有常びっくり。
 
伊勢物語第三九段/源の至】
特筆するほどではないんでけど「天の下の色好み、源の至」って文章が面白すぎた。天下の色好みとかここまで残念な天下があったなんて。
 
伊勢物語第四〇段/すける物思ひ】
身分違いの男女の恋話かと思ったら、召使の女が追い出されてショックを受けすぎた男が気絶するというギャグ章段だった。
 
伊勢物語第四一段/紫】
あてなる男「我が妻、紫の縁に繫がるあなたへも深い情があります」って貧乏一家に緑の袍を贈るとかイケメン。緑ってことはいやしき男は六位ですね。
 
伊勢物語第四五段/行く蛍】
箱入り娘に恋をした男。しかし親が許さず女は病に倒れて死んでしまった。古典ってなぜ娘が死亡してから悔やんで男に気持ちを伝えにゆくのか。物語として流行ってたのか実際そういうものだったのか。
 
伊勢物語第四六段/うるはしき友】
いや、友人って書いてあるけど「少しの間も離れられずに思いあって」っておかしいだろ表現が。伊勢物語の主人公男は色好みだけど男に対しても本気すぎる。
 
伊勢物語第四九段/若草】
業平「私の異母妹がこんなに可愛いわけがない。」

伊勢物語第六〇段/花橘】
宮廷勤めが忙しく、妻が他国の役人のところへ。男はその役人の家に行き、「ここの主婦の酒でないと飲まん」と言う。で、元妻が出てきたので雅な歌を詠み、見事破局させたのでした。妻が後悔して尼になったらしい。なんだそれ。

伊勢物語第六二段/こけるから】
六〇段とシチュ似てる!自分のもとを離れた女に「ちょっと見ない間に劣化しすぎだブサイク」と詠む男は鬼畜。
 
伊勢物語第六三段/つくも髪】
在五中将ってことは業平ですね。普通の男は自分が恋しく思う女を慕うのみだが、この在五中将はどんな女に対しても差別なく扱う。つまり業平は超イケメン。業平賛美の章段ですね。
 
伊勢物語第六五段/在原なりける男】
高子と業平の恋。女房たちの居るところに立ち入れるってことは、ここでの業平は年少の男子。里へ下がった高子を追いかけまくるストーカーである。高子は折檻され互いに顔を合わせず歌を詠む。
 
伊勢物語第六七段/花の林】
『曇りみ晴れみ、立ちゐる雲やまず。朝より曇りて、昼晴れたり。』

なんか語感がいい。
 
伊勢物語第六九段/狩の使】
斎宮と恋愛するとか生殺しすぎる。恬子内親王の方から寝室に来たのに何もできず終わった男が憐れだな…。
後朝の文って通ってきた方から出すのね。
 
伊勢物語第七六段/小塩の山】
春宮登場ってことは貞明?男が「翁」って称されたのは初ですね。高子が貞明の母でまだ御息所だった頃ってこと?
 
伊勢物語第七八段/山科の宮】
多賀幾子と常行の兄妹話かと思いきや献上する石に彫った歌が右馬頭のものでした。業平が右馬頭になったのは貞観七年、41歳。業平と常行の交わりを伝えたかった?
 
伊勢物語第七九段/千ひろあるかげ】
行平の娘の子、貞数親王爆誕。ここで業平は推定51歳なわけだがそれでも業平の子という噂があるっていうね。ていうかその歳で異母兄の娘に手を出しても可笑しくないと思われてるあたり色魔の本気を感じる。
 
伊勢物語第八二段/渚の院】
惟喬親王の母(静子)の兄(有常)の娘が業平の妻ってことでいいのか?ごちゃごちゃしてきた。
ここでの業平は鷹狩に熱心ではなく酒を飲んでは和歌にお熱。
桜が散る悲しさを知らないで春を楽しめるのと、散るからこそ桜を素晴らしく感じるのと、どちらがいいのかね。って詠み合う章段。
 
伊勢物語第八三段/小野】
「忘れては夢かとぞ思ふおもひきや雪ふみわけて君を見むとは」

この歌好きだ。親王への忠誠を感じる。
 
伊勢物語第八四段/さらぬ別れ】
「世の中にさらぬ別れのなくもがな千代もといのる人の子のため」

これは子どもなら思っちゃうよね。親が死ぬとか辛すぎる。
 
伊勢物語第九五段/彦星】
高子ちゃんきた!と思ったら仕えの女への求婚でした。物隔てに逢っていたが「わたしは彦星よりも激しい想いを抱いています」と詠んで見事口説き落としました。この隔ててる物を天の川に例えた上に相手を織姫にするっていうね。流石です。
 当時召し物が褒美になるのはわかってるんだけど、現代だと「褒美にわたしの服をくれてやろう…」って目の前で脱いでくれるんですよね。燃えるね。
 
伊勢物語第九七段/四十の賀】
「桜花散りかひ曇れ老いらくの来むといふなる道まがふがに」

最近こういう老いるの怖い系ソングが印象に残る。
 
伊勢物語第一〇一段/あやしき藤の花】
行平お兄さん家に良い酒があるということで良近を主客に宴を開催。奇異な形の大きい藤の花を題に歌を詠んでいると業平がやってきたので詠ませる。「多くが藤の花の下にいる(庇護を被っている)せいか余計に花がきれいだ」→非難される。
「これは藤原氏の栄華を詠んだのです」と説明すると非難する者はいなくなった。
藤の花を題にして詠んだ歌にしては雅趣薄い。世を諷刺するような意図を含ませた?
 
伊勢物語第一〇六段/龍田河】
親王方が逍遥してるところに男が参上して、龍田河のそばで詠む。
「ちはやぶる神代も聞かず龍田河からくれなゐに水くくるとは」

あちこちお散歩中にそんな風景が見れたら素敵だなぁ。
 
伊勢物語第一〇七段/身をしる雨】
業平の妹と思われる女に恋をした敏行。しかし女は年少で恋の言葉がわからず、あてなる男(業平?)が代筆→敏行メロメロ
 
伊勢物語第一一一段/まだ見ぬ人】
他人に恋しく思われると下紐が解けるとか艶っぽいですな。下紐解くって男女が情を交わすことですよね。いやん。
 
伊勢物語第一二〇段/筑摩の祭】
男「処女だと思ってたのにビッチだった…」

ここにきて男、まさかの処女好きが発覚。
 「近江なる筑摩の祭とくせなむつれなき人のなべのかず見む」
→筑摩神社は滋賀県坂田郡米原町にある。この祭では里の女が男と契りを結んだ数だけ鍋をかぶって参詣するそうな。とんでも暴露祭です
 
伊勢物語第一二四段/われとひとしき人】
「思ふこといはでぞただにやみぬべきわれとひとしき人しなければ」

孤高の歌。次の章段のための雰囲気づくりですかね。

伊勢物語第一二五段/つひにゆく道】
「つひにゆく道とはかねて聞きしかどきのふけふとは思はざりしを」

元慶四年(八八〇)五月二十八日、業平、五十六歳で没す。
 この辞世の歌って前もつぶやいたと思うんだけどめっちゃ好きなんですよねぇー!

 

高子ちゃんはもちろんのこと斎宮と東国の話もけっこうあったな。というわけで定家本125段は読了。異本の残り19段も読んでいきます。


 
伊勢物語異二段/清和井の水】
手ですくって水を飲ませるっていうシチュエーションがロマンチック。でもラストで死んじゃうのよ、なんとあはれな章段だこと。
 
伊勢物語異八段/玉くしげ】
「あまたあらばさしはするとも玉くしげあけむをりをり思ひいでなむ」

やばい。ときめいた。


伊勢物語異一一段/すずろなる所】
女の家の人々「夜明けに帰るとか非常識すぎる」
男「月が明るかったので夜更けのつもりで帰ったのです」

ああ言えばこう言う男である
 
伊勢物語異一五段/のどけき春】
桜の花のように美しい盛りにぱっと消えたいと思う女。そんな桜の花のような女はいない方がいいという男。男女の価値観って本当に違う。

 


読了!枕草子に続きこんなリア充物語を読んで私は何がしたいんだ。

3733人の女と関係をもったとされる業平ですが、

伊勢物語はあくまでも業平モデルのある男の物語なのよな。

歌物語だからやっぱ歌での会話が多くて面白かったです。

は~業平はイケメンだなぁ。