読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

LILIUM

趣味の記録保管庫

枕草子(下)

Books

清少納言枕草子の感想です

新編日本古典文学全集 (18) 枕草子

新編日本古典文学全集 (18) 枕草子

 

 ※核心には触れませんが多少のネタバレを含みます

 

(上)はこちら

(中)はこちら

例のごとく自分用メモなのでお勉強の参考にはお勧めしません

 

 

枕草子第二〇一段/遊びは】
「遊びは夜。人の顔見えぬほど。」なんかいいな、風情があって。

枕草子第二〇六段/見物は】
賀茂祭の帰りの行列に身分の低い者がお仕えしてるなんて恐ろしい。って、底辺の人間だって夢見たいんだよ少納言!!
 
枕草子第二〇八段/いみじう暑きころ】
牛のしりがいの香りが奇妙でおもしろいと思うのは我ながらどうかしている。

あ、少納言さん自分が頭おかしい自覚あったんですね。安心しました。(褒めてる)
 
枕草子第二一〇段/賀茂へ詣る道に】
郭公に対していったいどんな人が「いたくな鳴きそ(大伴坂上郎女 拾遺・夏)」と詠むだろう。仲忠をけなす人と郭公は鶯に劣ると言う人は情けなくにくらしい。うん、七九段にも見える仲忠贔屓ですね。
 
枕草子第二一二段/九月二十日あまりのほど】
こういう時こそ人は歌を詠むものだと言いながら歌を記していない。やっぱ苦手?

枕草子第二二一段/よろずの事よりも、わびしげなる車に】
高貴な所の御車とお供の車がたくさん来てどこに立とうとするのかと思ったら、すでに立っている車をのけたのはすばらしい。粗末な車が別の場所へゆるがして行くのはひどくみじめだ。

枕草子第二二五段/清水に籠りたりしに】
定子「山近き入相の鐘の声ごとに恋ふる心のかずは知るらむ ものよ、こよなの長居や」

ツンデレ定子様のハイパーデレタイム
 
枕草子第二二七段/社は】
紀貫之の話から長い説話が記される。原拠は『雑宝蔵経』?「七曲に」の歌は『袋草紙』では貫之作とされる。まぁ老人の知恵袋はすごいって章段です。
 
枕草子第二三四段/日は】
一段、春はあけぼのを連想させる言葉遣い。音がきれい!
 
枕草子第二四二段/ただ過ぎに過ぐるもの】
帆かけたる舟。人の齢。春、夏、秋、冬。

余韻がやばい。こういう時に少納言がすごい人に思える。
 
枕草子第二四四段/文ことばなめき人こそ】
少納言の「ことば」に関する鋭い関心。生きた言葉に関わるには十分に理解しなければね。やはり頭の良さよりも言葉遣いの良さが人の質を決めると思うよお姉さんは。

枕草子第二四八段/いみじうしたてて婿取りたるに】
やはり男は憐れむ気持ちとか、相手がなにを思っているかなんてわからないのでしょうね。って章段。今をときめく女と結婚したのに通わないままに離婚した夫婦。男は後に蔵人になったけど行動が恥知らずですわ。
 
枕草子第二四九段/世の中になほいと心憂きものは】
目をかけるかいのある子をかわいがるのは道理だ。一方これといったことのない子である場合は親だからこそである。


枕草子第二五〇段/男こそ、なほいとありがたく】
女性から見ても素敵な人を見捨てて、魅力の乏しい女を愛するんだから男心はわからない。

枕草子第二五三段/人の顔にとりわきてよしと見ゆる所は】
良いところは自然と目にとまるものだ。でも、みっともないところもそうなのだろう。それはやりきれない感じがする。
 
枕草子第二五六段/成信の中将こそ】
源成信、致平親王の子で道長の養子。女房の声を聞き分ける人として紹介⇒他の男とは違う!
 
枕草子第二五七段/大蔵卿ばかり耳とき人はなし】
前段成信につづき、今度は地獄耳の藤原正光の話。
 
枕草子第二五八段/うれしきもの】
少納言の心情の基幹となるもの。この段の具体的な経験が『枕草子』といえる。この章段すごい好き。

枕草子第二五九段/御前にて人々とも、また物仰せらるるついでなどに】
「こんなもので慰められるなんて手軽なこと」と言っておきながら少納言が思い悩んで里に下った時にそれを匿名で贈る定子さまマジツンデレ
 
枕草子第二六〇段/関白殿、二月二十一日に、法興院の】
本朝世紀』に翌二十一日は「天陰リ雨降ル」とある為、盛事に雨が降らなかったことに自らの素晴らしい宿世を自賛する道隆。でも枕草子執筆時には道長の方が上?
 
枕草子第二六五段/単は】
少納言「単は白き!白うてこそ!黄ばみたる単はいみじう心づきなし!」
超訳「下着は白!断然白!でも黄ばんでる下着は最悪!」
 
枕草子第二六九段/神は】
神垣に蔦などがたくさん這いかかって色づいた葉
⇒「ちはやぶる神の斎垣にはふ葛も秋にはあへずうつろひにけり」(古今・秋下・紀貫之
 
枕草子第二七四段/成信の中将は、入道兵部卿宮の御子にて】
容貌がとても美しい成信が伊予の守兼資の娘に惚れてるって話かと思ったら脱線しまくって、雨の来訪者礼賛に対する反論になってたでござる。

枕草子第二七五段/常に文おこする人の】
「何かは。言ふにもかひなし。今は」って、「朝の別れがこんな辛いのに何で契りをかわしたのだろう」ともとれるし「てめーみたいなアバズレとヤんなきゃよかった後悔してる」ともとれるよね。
 
枕草子第二七六段/きらきらしきもの】
清く鮮烈な美しさを「きらきらし」と言うそうな。この時代では宮中あるいは公の行事がきらきらしきもの。
 
枕草子第二八〇段/雪のいと高う降りたるを、例ならず御格子まゐりて】
少納言の才能を認知させるため定子が『白氏文集』「香炉峰」の詠句を使って自分の意向を察知させた。宮仕え後まもない正暦五年(九九四)冬か。

枕草子第二八三段/十二月二十四日、宮の御仏名の】
明るい月の光が恥ずかしくて奥に隠れようとするのに、男が何度もそばに引き寄せ丸見えにさせ、女がつらがるのがおもしろいそうです。アダルトな章段ですな。
 
枕草子第二八七段/右衛門尉なりける者の、えせなる男親を持たりて】
海中に逆さに親を落とした男が、逆さづりに苦しんでいる親を救い上げる供養をしているという矛盾を言う章段。道綱の長男、道命阿闍梨が「あはれなりける」と詠んだのは皮肉か哀憐か。
 
枕草子第二八九段/また、業平の中将のもとに】
うおー業平ー!!!業平の母、伊登内親王からの和歌を読んだ業平の気持ちを少納言が想起する。母の歌は古今集伊勢物語・業平集にも見える。

枕草子第二九三段/大納言殿まゐりたまひて】
なんだ、伊周がイケメンじゃねーか。恋愛シミュレーションゲームみたいになってんじゃねーか。まだ一四、五歳の一条天皇がウトウトとか可愛い!
伊周「倒れるなよ(少納言の袖をつかみながら)」「遊子猶残りの月に行く…少納言はこういうのがお気に入りでいらっしゃるからな(振り返りながら貴公子スマイル)」
スコートされて完全にデレデレの少納言さんであった。
ねぇ少納言、言いたいことはわかるけど「下衆女」って現代だととんでもないインパクトがあるよ!!


枕草子二九六段から二九八段までの三段は少納言身辺の歌語り。全て自作。前夫則光に関わる記述と見る考えもある。
これにて三巻本の本文読了!ここから増補に入ります。


枕草子一本の三段/聞きにくきもの】
声の悪い人がお喋りしたり笑ったりして打ち解けている様子は聞いてて感じが悪い。って酷いよ少納言!不細工も下衆も必死なんだよ!
 
枕草子一本の六段/女の表着】
平安のトレンドはパステルカラーだったようです。紫、葡萄染、萌黄、桜、紅梅。
 
枕草子一本の一八段/鏡は】
八寸五分ってけっこうでかいな。流石はオシャレな少納言さん。少納言って現代だとデザイナーっぽい。
 
枕草子一本の二三段/松の木立高き所の】
物の怪の依代って女の童なのか。巫女やらシャーマンみたいなもの?女の童個人の感覚があるってのは面白い。
 
枕草子/この草子、目に見え心に思ふ事を】
人に見せるつもりではなかったが、経房に見つかって流布したと思われる。少納言が心に思うことを書き集めた草子。ものづくしのをかしの文学!

 


 
伊周が良い紙を献上した際、一条天皇史記を書写してるからこっちはどうしようかと定子が尋ねたところ、少納言が「枕にこそ侍らめ」と答えたことから由来するというのが通説。枕が何なのかは不明。
 
少納言は雪が好きで雨が嫌い。雷と幽霊は苦手。勝気で頭が良く、定子の一の女房として宮中にときめいた。みずみずしい感性を持った女性。名があまりにも有名なのに文献にはあまり残ってないのよなぁ。

宮中賛美と言われる『枕草子』で少納言は何を伝えたかったんだろう。悲しいことなどひとつも記されてないことに何の意味があるんだろう。わたし、気になります

才気煥発な人にイラついたりゲンナリしない人、受けて立てる人、枕草子でいうと斉信や行成は自分に自信があったんだなぁ。ない人は少納言に言い負かされて愚痴る。男はプライドで生きてるから現代にも言えるんじゃないですかね。
 
行成は少納言と深い関係にあったからこそ二股膏薬と言われてしまうのよな。蔵人頭として定子ではなく彰子の子を推したけど、定子の子が道長の政治的圧力に潰されないよう死ぬまで守ったんだよ!それが行成の誠実さだと思うの。泣ける。
 
【個人的恋愛相関図】
則光⇒イケメン筋肉馬鹿の元夫
実方⇒宮仕え前の元カレ
行成⇒デリカシー無さ過ぎて永遠の友人。でも唯一無二の関係
斉信⇒両想いだったが世間体から悲恋
伊周⇒アイドル
棟世⇒再婚相手

 

つまり少納言リア充(完)