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LILIUM

趣味の記録保管庫

枕草子(上)

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 清少納言枕草子の感想です

新編日本古典文学全集 (18) 枕草子

新編日本古典文学全集 (18) 枕草子

 

 ※核心には触れませんが多少のネタバレを含みます

勉強日記みたいなもので自分に分かるようにしか書いてないし

意訳&意訳&超訳みたいなものなので

お勉強の参考にはあまりお勧めしません… 

 

枕草子第六段/大進生昌が家に】
995年-道隆死亡
996年-伊周、花山院殺人未遂
999年-実権は道長へ、定子の全盛期はとうに過ぎたにも関わらず、生昌とのやりとりを可笑しく綴ってある。うーん、いかにも枕草子っぽい段ですな。


枕草子第七段/上に候ふ御猫は】
翁丸が冗談がわからず一条天皇の猫を襲う⇒勅命により犬島流しへ。少納言が翁丸と行成の楽しい思い出を回想⇒後に、翁丸と思わしき犬が登場。忠隆・実房によって撲殺。⇒悲しむ少納言の前に再び犬が登場、翁丸の話をすると涙を流した犬。その犬は翁丸だった。
翁丸は名を呼ばれると反応する賢い犬だけど、冗談はわからなかったわけか。でも自分じゃない犬が翁丸だと思われて撲殺されたのを見て、名を呼ばれても反応しなかった。そんで同情された際、翁丸は犬なのに涙を流したってのが少納言の感性に触れたのかしら?
みんな一条天皇の御猫が!ってかんじで翁丸ってか犬が悲惨な段だけど、少納言だけは翁丸贔屓と周りに言われてるのが良いわ。きっと愛犬家行成が翁丸の身体に花を飾るほど溺愛した犬だから酷く悲しんだのだろう。行成への愛を感じる。
 
枕草子第一一段/山は】小倉山・三笠山・末の松山・三輪山・手向山
枕草子第一四段/原は】みかの原
枕草子第一六段/海は】水うみ(琵琶湖)

私ならこうですかね。少納言の選定基準はなんだったのやら。
 
枕草子第二一段/清涼殿の丑寅の隅の】
伊周が「月も日もかはりゆけども久に経るみむろの山の」って言うところに中関白家絶頂期を思わせますね。伊周、あんたが射殺すぜ!とかやるから…。あんたの所為だけではないが。 


定子「はーい、これに思いついた古い歌を書いてくださーい。難波津でも何でもいいでーす。」
女房「えっと、年ふればよはひはおいぬしかはあれど花をし見ればものおもひもなし」
少納言「君をし見れば、にしましょうよ」
定子「うん、流石少納言だな。」

一条天皇の父の真似をする定子

定子「はーい古今集のテストしまーす。上の句詠むから下の句言ってねー。」
女房「え!?あの、えっと…」
定子「ちょ、これは知っててよー。しおり挿んでおくからねー。村上帝の御時は宣耀殿の女御が全問正解したんだからー。」
少納言「ああっ定子様♡賢いですわ♡素敵♡」
 
第二一段はコントかと思うほど賛美されてるのねぇ。ガッシリ読んでる時はあまり思わないけど整理すると「教養溢れる皆の憧れ、宮中(シャララ」ってのが凄い。ちゃっかり自分の頭の良さも記録するところが少納言ですわ。


枕草子第二二段/生ひさきなく、まめやかに】
少納言「生ひさきなく、まめやかに、えせざいはひなど見てゐたらむ人は、いぶせくあなづらはし」
み、耳が痛いがこれは背景に実方のにおいがする。幼馴染か恋人か夫婦かは謎だが、親密であった実方との背景から持った価値観のような。
 
枕草子第二六段/にくきもの】

酒を強制する人、知ったかぶりする人、昔の女の話をする恋人、寝付く時にくる蚊は同感。こっそり訪ねてきた恋人に隠れてもらったらイビキかかれて台無しってのは笑った。ギャップ萌えなどない。


枕草子第二七段/心ゆくもの】

寝起きに飲む水!わかってるね少納言
 
枕草子第三一段/説経の講師は】
少納言「説経はイケメンが至高よ。ブサイクの説経は頭に入らないし聞いてると罪を犯してる気分になるもの。なんでかって言うと…やっぱりやめときましょう。昔は若かったから言っちゃっただろうけど今は仏罰が怖いわ。」
 
枕草子第四〇段/あてなるもの】
高貴なものとして藤の花が挙げられているのは大変良い。藤の花は家紋だからな!褒められると嬉しいな!
 
枕草子第四三段/にげなきもの】
少納言「身分の低い人の家に雪が降ったり月の光がさし込むのはもったいないわ」
やはりギャップ萌えなど存在しない少納言さん。女王様気質だよなぁ。

枕草子第四七段/職の御曹司の西面の立蔀のもとにて】
少納言「誰かいらっしゃるの?」
行成「弁が参上していますよ」
少納言「長話なのね。大弁が見たらあなたを放っておくわ」
行成「あなたにそんなこと言わせないようにと長話をしていたんです」

行成「女はおのれをよろこぶ者のために顔づくりす。士はおのれを知る者のために死ぬ。(史記の引用)」
少納言「頭の弁は私のことをよく知っているし、私も理解しているわ」

史記の引用による高学歴トーク。なんだ惚気なのかリア充なのか。
 
『とほたあふみの浜柳』(万葉集・一二九三)
“一時は離れてしまっても、また会って仲良くしましょう”

永遠の友情を誓う行成と少納言。やはり高学歴トーク。

行成「目元が不細工でも口の格好に愛嬌があって、あごの下や頸がきれいで、声が酷くなければ愛せます。でもやっぱ不細工は嫌だ。」

結局メンクイの行成w
 
行成「どうも」
女房「ご用件は?」
行成「あなたは結構、少納言を呼んでください」
女房「今は里帰り中ですの」

行成「では少納言、要件ですが」
少納言「なぜ来たのよ」
少納言「他の者に頼めば良いでしょう。その場に応じて対処しなさいな」
行成「改まらざるものは心なり。そういう性格なんです、あなた以外には頼みません」
少納言「じゃあ『さあらむ人をばえ思はじ(改めるのに遠慮はいらない:論語引用)』はどう説明するの?」
行成「遠慮、ですか…」
行成「男女の仲になっていると言われるほど親しい友人なのですから顔を見せたらどうです」
少納言「以前あなたが嫌ったような不細工なのでお見せできませんわ」
行成「なるほど、では絶対に顔を見せないでください」
―後日―
少納言「あら簾があいてるわ。どうせ則隆(夫則光の弟)でしょう。スッピンでいいわ・・・・・・・・・・・・頭の弁?」
行成「全くあますところもなく顔を見てしまいました」
少納言「あなた見ないんじゃなかったかしら?」
行成「女は寝起きの顔こそが良いそうで、ある人の局に行って覗き見したら見れたのであなたの顔も見られると思って」
 
四七段はこんなかんじか。惚気なんだか何なんだか。とりあえず少納言が定子に言った通り行成は凡人ではないがデリカシー的な意味でも凡人じゃないな。この2人が恋仲なのかどうかめっちゃ気になるが、それは枕草子最大の謎。

枕草子第六〇段/河は】
天の川原は業平が「狩り暮らしたなばたつめに宿からむ天の川原に我は来にけり」(古今・羇旅)と詠んだというのが風情があって良い。

おー、少納言にとって良いものとしての評価に業平が挙がっている。流石と言うべきかしら。


枕草子第六一段/暁に帰らむ人は】
愛し合う男女が衣服を乱しながらも名残惜しそうにする朝の別れは風情がある。
男の本命が他にいたら、たいへんきっぱりと起きて支度をして衣服はどこだと暗い中たたきまわって捜すのよ、最低。

枕草子第六四段/草は】
葵は神代から始まって、髪に挿す物となったのが、たいへんすばらしい。
あやう草は崖の端に生えていて、なるほど「危うい」。
しのぶ草はしみじみとした感じ。

さしも草が挙げられていて実方さんを思い出さない方が無理でした。

枕草子第六六段/集は】
和歌集は万葉集古今集

ですよねー!なんか読んだときに「うん、知ってた」ってなりましたわ。

枕草子第六九段/たとしへなきもの】
自分が愛する人と憎む人と。同じ人なのに自分に対しての愛情がある時と変わってしまった時とでは、比べようがないほど違っているの。

「可愛さ余って憎さ百倍」なんて言葉ができたくらいだものねぇ、人の感情は1000年経っても変わらない。
 
枕草子第七〇段/しのびたる所にありては】
夏!と断言する少納言さん。たしかに秘密の逢瀬は夏のほうが情熱的よね。短い夜にどれ程の愛を伝えるか。燃えるじゃない?

枕草子第七二段/ありがたきもの】
才色兼備で世を渡る人に非難がないこと。
男女の間柄はもちろん、女同士でも深い約束をして親しくしている人で最後まで仲良しなんて滅多にないわ。
写本で原本汚さないのも無理な話よ。必ず汚くなるわ。
 
枕草子第七七段/御仏名のまたの日】
定子「ほら、地獄絵を是非とも見なさいな」
少納言「嫌ですわ嫌ですわー!!気味が悪い!」

なにこれ少納言ハイパー可愛いじゃないですかっ!

枕草子第七八段/頭中将のすずろなるそら言を聞きて】
斉信「なんであれを一人前とほめたのだろう。絶交だ」
少納言「うわさが事実ならともかく、すぐに思いなおすでしょう」
→顔を隠すなどして無視を続ける斉信
少納言「あら、そう。じゃあもういいですわよ」

斉信「憎らしいとはいうものの、やはり物足りなく寂しい。何か物を言いおくろうか。しかし少納言も無視をしているしシャクだな。よし、今晩で良しも悪しもケリをつけよう」
→斉信から少納言へ手紙がくる
少納言「読む気にならないわ」
斉信「返事をよこさないなら手紙は返してください」
少納言「わかったわよ。『蘭省の花の時の錦帳の下(白氏文集)、さぁ対句を応えてみなさい』・・・なによこれ」

白氏文集は当時の女子の教養範囲外であり、少納言はもちろん知らないだろうという斉信の考え。しかし少納言は対句を知っている。それでも漢字7字の返事は見苦しいと判断。

少納言「草の庵を誰かたづねむ(公任集)」
斉信「おお、まったく、たいへんな曲者だな。やはり無視することはできそうもない」

斉信の引用と意味合いが似ているものを公任集から下の句として引用し、斉信は逆に上の句を求められることに。上手いこと負かされました斉信さん。

おまけ
則光「やあ!」
少納言「何しにおなりになったのです」
則光「あなたが上手いことやったのが喜ばしくてね!」

別れた妻の誉を喜ぶとは則光は本当に単純馬鹿ですわ。(褒めてる)

枕草子第七九段/返る年の二月二十余日】
斉信「少納言、今晩にぜひ話したいことがある。待っていてほしい」
少納言「斉信さまはなんと美しいのだろう。外の者はあの斉信さまが会っているのが私だと知らない。内の者は私が会ったのが斉信さまだと知らないなんて」

⇒中関白家との比肩?
 
枕草子第八〇段/里にまかでたるに】
則光「斉信さまが妹(少納言)の居所を知らぬはずがないとしつこくお聞きになるのです。経房さまなんて知ってるくせに真顔なので笑いを堪えるために海藻をむやみにやたらと食べましたよ」
少納言「わかりました、決して居所を申し上げないでくださいな」
則光「斉信さまが居所を申せと大変お責めになります。隠していられる自信がありません!どうしたらいいですか!」

少納言、海藻を包んで渡す=絶対に言うな

則光「先夜、斉信さまをいい加減なところに彼方此方お連れしてたらめっちゃ怒られてとても辛いです。なのにあなたは海藻を包むなんて、何故です!」
少納言「則光どのには通じなかったのね…気に入らないわ。かづきするあまのすみかをそことだにゆめいふなとやめを食はせけむ」
 則光「歌をお詠みあそばしたのですか!?決して拝見いたしますまい」
(則光は以前より「自分を思ってくれる人は歌を詠まない。詠む時は絶交の時です」と言っている)
少納言「くづれよるいもせの山の中なればさらに吉野の川とだに見じ」=絶交の歌


この歌も本当に見ないのかしら。と、返事もないままに関係は終了。則光は蔵人をやめ、少納言は気に入らないままに則光と別れたわけだが。うん、筋肉馬鹿の則光と少納言では馬が合わない気がするよ。学が足らないといいますか。
則光と少納言って互いを兄妹と言ってたんだよな。ライトノベルも吃驚ですね。事実は小説より奇なり。
八〇段の斉信は行成ばりに残念なことになってて笑う。どうでもいいが私は少納言と実方は幼馴染み説を推したい。行成は懸想してて斉信は遊びのイメージ。少納言リア充すぎるね。
 
枕草子第八六段/宮の五節出ださせたまふに】
実方「あしひきの山井の水はこほれるをいかなる紐の解くるなるらむ」
⇒総無視をくらった実方に、女房伝手に返歌を送る少納言
少納言「うは氷あはに結べる紐なればかざす日かげにゆるぶばかりを」
実方「…え?あの、お声が遠いようですが…」

実方に伝えた女房が緊張し、少納言の返歌は結局届かず。でも下手な歌を詠んだ恥が耳に入らず良かった、と。立派な歌でなくとも返歌は即座に詠むものだという少納言の価値観が出てる章段。
 
枕草子第九五段/五月の御精進のほど】
少納言「だれそれの子なのだから良い歌を詠んで当然だと言われるのは、私のような下手を詠んで親の顔に泥を塗りたくないですわ」
定子「じゃあ詠めとは言わない。心のままにまかせましょう」

歌人元輔の娘だからこその悩みですな。

どうでもいいが定子が下の句を詠んで、少納言に上の句をつけろと言った時の「下蕨こそ恋しかりけれ」「郭公たづねて聞きし声よりも」に笑った。
 
枕草子第九七段/御方々、君達、上人など、御前に】
定子「お前は一番が好き?」
少納言「そうですね、良しも悪しも一番が良いですわ。二番三番は死んでも嫌です。あ、でも定子様に思われるなら良いです!」
定子「あなた、相手によって意見変えるのやめなさい」

九七段読んで思ったが基本的に少納言→→→→←定子ってかんじ。定子様定子様とへりくだる少納言と、それを見通してあしらう定子。

 

 

 

枕草子(中)へ続きます