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LILIUM

趣味の記録保管庫

舟を編む

Books

三浦しをん著『舟を編むの感想です

舟を編む

舟を編む

 

 ※核心には触れませんが多少のネタバレを含みます

 

 

すごく面白かった…

 

玄武書房の営業部にいた馬締光也が

同じく玄武書房の辞書編集部を定年退職する荒木に見いだされ

辞書『大渡海』を編む話

 

同い年だけど馬締は院卒なので先輩として働くちょっと言動の軽い西岡

非常勤でずっと辞書編集部にいる佐々木

『大渡海』の監修をする松井先生

定年後も辞書作りを手伝う荒木

西岡の異動の暫く後に異動してきた岸辺

 

みんなポジションがしっかりしてて、役割があって、

誰が欠けても辞書は完成してなかったと思うわ

 

女性と付き合ったこともなく、お酒もまともに注げない馬締さんが

下宿先で香具矢さんと結婚して、お酒を注げるようになって

西岡さんが抜けたあとも唯一人正社員として尽力して

入社3年目から随分成長したのを感じた

その成長の分だけ時の移ろいも感じられて

そんな厚くない本なのに長い長い年月が経った気がします

実際辞書完成まで15年はかかってますしね

 

 

辞書好きなんですよ~

大学で言語学を専攻する理由にもなるんですが

小学生の頃に通っていた学習塾にあった広辞苑

あれを見てすべてが決まったように思います

 

当時は改版とかわかってないのですが

版数字が増えていくたびに広辞苑が分厚くなってるんですね

言葉って増えてるの?何が増えてるの?っていう疑問があって

文字とか言葉にすごい興味を持ち始めたんですね

 

それから家にある漢和辞典を引っ張り出してきて

友達もいなかったんで小学校の休み時間に漢和辞典読んでました

今思えば本当に気持ち悪い行動でしたね…

漢字の成り立ちや、その漢字自体が持ってる意味みたいな

そういうのが面白いのです…

 

まぁそれがきっかけで勉強はずっと大嫌いでしたが

大学で言語学を学んで卒論書いて

言葉って生きものだなぁと常々感じます

卒業後は文学に興味出てきて色々読んでますけどね

今でも気になった漢字を例の漢和辞典で調べることあります

もう辞典はボロボロで書き込みもあって汚い有様なんですが

あの辞書が大好きで今でも使ってますね

 

 

辞書が出来る過程を知らなかったものですから

色んな労力の末の結晶なんだなぁと感動しました

日本国語大辞典』は学生時代お世話になりました…

 

 

舟を編む』ってタイトルと辞書がイコールにならなかったのですが

松本先生の言葉が響きます

 

「言葉は、言葉を生みだす心は、権威や権力とはまったく無縁な、

自由なものなのです。また、そうであらねばならない。

自由な航海をするすべてのひとのために編まれた舟。」

 

一部引用してみました、いいセリフですよね

 

『大渡海』の装幀が『舟を編む』とほぼ同じっていうのもよかった!

藍色の本体、クリーム色の見返し、銀色の文字

背には帆船のような舟、表紙と裏表紙には三日月と舟のマーク

おもわず『大渡海』だーーー!!!と興奮しました

 

 

最初から最後までまんべんなく面白い本でした

大満足!