読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

LILIUM

趣味の記録保管庫

クドリャフカの順番

Books

米澤穂信著『クドリャフカの順番の感想です

クドリャフカの順番 角川文庫 クドリャフカの順番 角川文庫
(2012/10/01)
米澤 穂信

商品詳細を見る

※核心には触れませんが多少のネタバレを含みます

 

舞台は文化祭!文化祭が主役です

あまりいい思い出がありませんね

 

視点が古典部全員で進んでいきます

スペードが奉太郎

クラブがふくちゃん

ダイヤが摩耶花

ハートが千反田です

 

古典部で売らなければならない『氷菓』は二百部

カンヤ祭当日に起きた怪盗「十文字」による盗難事件

それぞれがそれぞれの特性を発揮しようとしてるのが分かり易くて良かったです

 

 

省エネ主義として取るべき行動はもちろん売り子

でもタダで座ってるだけでは物語になりませんから、

わらしべ長者のような物々交換が始まるわけです

そこが話にどう絡むか、次のアイテムは何になるのかという楽しみがありました

 

 

怪盗「十文字」を捕まえようとするふくちゃん

”データベースは結論を出せない”

それでも座ってばかりの奉太郎にこの事件は解決できない

そうして足を動かすふくちゃんは「自分の意外性」を見つけられるのかって話ですよね

文化祭を楽しむ大義名分として掲げた『氷菓』完売から「十文字」への興味へ

ふくちゃんは意外で楽しいこと、というより楽しむことが大好きなので

人に対しても意外性のある人が好きみたいです

それこそ古典部に入部してから推理力を発揮する奉太郎は

意外以外の何者でもないんでしょう

そんな意外が自分にもあるのか、

前作『愚者のエンドロール』で自分にしかできないものはない、

才能はないと断言したふくちゃんだからこそ

顛末はとても気になりましたね

あと摩耶花に対する気持ちがどうなのか、

視点がふくちゃんになる時だけわかるあの感覚はとても良かったです

 

漫画研究会で先輩である河内と対立する摩耶花

自分が大好きな同人漫画『夕べには骸に』を軸に話が展開します

摩耶花の成長を少し感じました

摩耶花は理由もなく怒ったりする子じゃないですものね

 

千反田は『氷菓』を売るために文化祭を駆け回ります

ものの頼み方、つまりは「期待」を操る方法を入須先輩から教えてもらうわけですが

これまんま愚者のエンドロールで奉太郎がくらったやり方なんだよなぁ…

さすが入須先輩です 4人バラバラに行動するんですが、

もちろんそれはひとつの結末に向かってるわけですね

あの人のここがこの人のここに繋がる的な

この胸糞悪いんだけど心地いい感覚をなんと言ったらいいのかわからないのですが

古典部特有のこの胸糞悪いかんじ、でもいいんですよそれが!

ほろ苦いってことなのかなぁ

 

怪盗「十文字」の盗難事件に秘められたメッセージ、

思わず苦い笑みになっちゃいますね

クドリャフカ』の順番では「期待」って言葉がそれなりに遣われていて

ふくちゃんの奉太郎に対する「期待」に、少し胸が苦しくなります