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LILIUM

趣味の記録保管庫

愚者のエンドロール

Books

米澤穂信著『愚者のエンドロールの感想です

愚者のエンドロール (角川文庫) 愚者のエンドロール (角川文庫)
(2012/10/01)
米澤 穂信

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※核心には触れませんが多少のネタバレを含みます

 

 愚者のエンドロールとは!まぁ~上手い事言ったな!

読み終わった瞬間にっかーー!みたいな謎のテンションになったよ

こういうタイトル回収好きよ

とりあえず一旦最初のとこ読み直すよね

 

青春ミステリって言葉に相応しく、奉太郎の青臭さが非常に良かったと思います

こう女運があんまないよね奉太郎は…(笑)

カンヤ祭(この呼び名もなんとも言い難い胸糞悪さ)のクラスの出し物で

ミステリビデオ映画を撮ることになった二年F組

しかしストーリーは解決編を目前にパタリと切れてしまうわけですね

脚本家であった本郷真由は、あまりに神経をすり減らし病んでしまった

そこで古典部に「探偵役」を頼む入須冬実

 

入須家と千反田家にはそれなりの繋がりがあるようです、さすが名家

古典部とは別に、自分の推理を披露する二年F組の人達が面白かったです

どの人達も伏線とまで大業ではないですけど、

本郷の真意を読み取るためのヒント要員ですかね

読んでて、あーここは後で繫がるんだろうなというのがあからさまにわかります

氷菓でも思ったんですが、古典部シリーズは読者に解かせないスタンスなんでしょうか

 

最後に「探偵役」として映画の結末を推理した奉太郎

まぁこれがどう転ぶかってのがこの話の肝なんですかね

入須先輩がまたとても良いキャラ!

優しいのか冷たいのかと言われたら間違いなく冷たい、冷徹

でもだからこそ周りが助かってるのも事実

入須先輩の目論見通りにことが運んでいく様は見事の一言

 

奉太郎には才能、誰にも負けない技術があると入須先輩が言うんですよ、

探偵の素養があると

それまで古典部の誰に言われてもそんなことはないと思ってた奉太郎も、

入須先輩の言葉に自分が「探偵役」をやるに足る技術を持っていると

自信を持つんですね

私はこれ、奉太郎じゃなくてふくちゃんがとても気になった

 

ふくちゃんにしかできないこと、

そんなものはないことをふくちゃんは知ってるんです

自分は何かの第一人者になれない、才能はない

それを自覚した上でああやっていられるふくちゃんはスゴイ ま

だ高校生だし、完全に割り切ってるわけではないと思うのですが、

それを言ってのけるふくちゃんに同情すらしました…

データベースは答えを出せないものね…

 

さて、 皆が(読者すら)、この映画の犯人捜しをしているというのに

千反田は「本郷真由」自身が気になってるんですよね

とても千反田らしくていいと思いました

なんだろ…千反田の性格ならそこが気になって当然だよなーと

読み終わってから思ったり

愚者のエンドロールは千反田目線で読んでも面白いかもしれない

どうしたって奉太郎目線になるのだけれども

「ほろ苦い」って言葉がよく似合う話だと思いました

思春期の高校生のうわあぁあはっはぁ~!みたいな、ボキャ貧ですみません

あのむず痒い、

でも間違いなく青春だったと言い切れるあの3年間がよく表れてるなーと